白糸ノ滝 (白糸の滝・音止の滝)
天下の名瀑としてその名を轟かす白糸ノ滝。
この滝は、富士山の雪解け水が、上部の水を通す地層である新富士火山層と下部の水を通さない地層である古富士火山層の境の絶壁から湧き出しています。
高さ20m・幅150mの湾曲した絶壁から、大小数百の滝が流れ落ちています。 その姿は白糸の名にふさわしく、幾筋もの絹糸をさらしているようです。
優しく、女性的な美しさで、滝壺近くに立つと、三方が水のアーチとなって幻想的な世界を見せてくれます。 国の名勝及び天然記念物。(平成2年日本の滝百選に選定)
白糸ノ滝の歴史
昭和11年、国の名勝及び天然記念物に指定され、昭和25年10月には「観光百選滝の部」で1位に選ばれ、古くからその見事な眺めが人々に愛されている滝。
戦国時代末から江戸時代初期、富士講の開祖とされる長谷川(はせがわ)角行(かくぎょう)が修行を行った地とされ、富士講を中心とした人々の巡礼・修行の場となったことでも知られています。
白糸ノ滝
幅150mの湾曲した絶壁の全面にかかる白糸ノ滝は、本滝の一部を除いてそのほとんどが富士山の湧水。マイナスイオンに包まれてパワーアップ間違いなし!岩壁の間から白い絹糸のように流れるさまは、白糸の名にふさわしく、女性的な美しさと、やさしい景観を見せながら周囲にキリリと冷えた風を運んでいます。年間を通じて水温12℃、毎秒1.5トンの湧水が流れ出ているといわれています。
音止の滝
白糸ノ滝とは対照的で勇壮な音止の滝。高さ 25mの絶壁から轟音をとどろかせているこの滝。その昔、曾我兄弟が父の仇の工藤祐経(くどうすけつね)を討つ相談をしていた際、滝の音で声がさえぎられたため、しばし神に念じたところ一瞬滝の音が止んだという伝説からこの名が残されています。
白糸ノ滝が世界遺産構成資産に選ばれた理由
白糸ノ滝は、『信仰の対象』としての富士山の顕著な普遍的価値を証明する上で不可欠の構成資産であります。 富士講の文書によれば、白糸ノ滝は長谷川角行が人穴での修行と並行して水行を行った場所であるとされ、富士講信者を中心に人々の巡礼・修行の場であったことから構成資産となっています。富士講信者の描いた絵図からは、18世紀の白糸ノ滝における修行の様子が知られるのみならず、現在もなお現地に遺存する石碑等を確認することができます。
関連情報
白糸ノ滝 展望スペース紹介
白糸ノ滝の滝つぼに下りるには長い階段があります。その階段を下りずに滝をご覧になれる展望スペースが二箇所あります。その一つは、駐車場から売店通りを進んだ階段手前に設けられています。(写真①)もう一つは、滝の右岸上部、駐車場から県道、整備された歩経路を進んだところにあり、天気が良ければ滝の背景に富士山が見えます。(写真②)
白糸ノ滝 駐車場紹介
観光案内所と公衆トイレを備えた駐車場。 駐車場から徒歩5分ほどで「音止の滝」さらに5分で「白糸の滝」に到着。
階段手前の展望スペースまでは、車イスで行けます。
その先、滝つぼまで100段ほどの階段があります。
駐車台数 | ||
---|---|---|
乗用車 | 105台 | 500円 |
大型バス | 10台 | 1,000円 |
マイクロバス | 5台 | 1,000円 |
バイク | 10台 | 200円 |
※ 障がい者用駐車スペースあり |
工藤祐経之墓所
建久4年(1193年)5月、源頼朝は富士の裾野で武将と数十万人の兵を集めて盛大な巻狩りを催しました。この最中、工藤祐経の陣屋にて夜半、曽我十郎祐成、曽我五郎時致の兄弟が親の仇討ちを果した。これが曽我兄弟の仇討ちであります。 曽我兄弟の墓は現在、横浜市の願成寺にありますが、工藤祐経の墓は、富士の巻狩りの際、工藤祐経の陣屋が置かれた場所(富士宮市上井出361、音止めの滝上流部東側)にあり、今でも地元の人達により清掃・供養が行われています。 そこで、工藤祐経の墓所を代々守り続けてきた地域として「工藤祐経供養祭」を4月の「狩宿さくらまつり」の日程に合わせて開催しています。
曽我の隠れ岩
曽我兄弟が、この岩に隠れて父の仇工藤祐経を討つ密談をしたと伝えられています。音止の滝の東側にあり、しめ縄が張られるなど、伝統の岩らしい雰囲気が漂っています。
白糸ノ滝へのアクセス
- 東名高速道路 富士ICまたは、新東名高速道路 新富士ICから 車で約30分
- JR富士宮駅から富士急静岡バスで約30分
白糸ノ滝 関連情報
白糸ノ滝で行われるイベント
日本三大仇討ちの一つとして知られる曽我物語の舞台となった白糸ノ滝の周辺で4月中旬に「曽我物語 工藤(くどう)祐経(すけつね)供養祭・草鹿(くさじし)の巻」が開催されます。
工藤祐経供養祭
富士の巻狩りの際、工藤祐経の陣屋が置かれた場所は、現在、工藤祐経の墓所になっており、今でも地元の人達により清掃・供養が行われています。その地で年に一度行われる供養祭。
草鹿の巻
草鹿式(くさじししき)は、建久4年、5月に源頼朝が富士の巻狩りを催した時に、家来が獲物を射損じることが度々あったため、即興で草を束ね鹿のような形をした的を作り、射る稽古をしたことに始まると伝えられています。その式を源頼朝公ゆかりの地(白糸ノ滝駐車場東側)にて行うもの。
白糸ノ滝周辺MAP
- 営業案内
- 白糸ノ滝駐車場:9:00~17:00(冬季は16:30まで)
- 定休日
- 年中無休
- 所在地
- 富士宮市上井出273-1(白糸の滝駐車場)
- 駐車場
- 白糸の滝駐車場(大型バス10台、マイクロバス5台、乗用車105台、バイク10台)他近隣の民間駐車場あり
- TEL
- 富士宮市観光協会 0544-27-5240
- FAX
- URL
- http://www.city.fujinomiya.shizuoka.jp/kankou/llti2b00000018ez.html